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「目線」は顔の一部分

☆エンジェルのほほえみ(花岡京子)


              「目線」は顔の一部分


   年に7〜8回海外に行く。うち、2回は観光。残り5〜6回はビジネス関係。
  行き先は、ビジネスの場合はほとんどがニューヨークかパリ。ニューヨーク、
  パリを起点に活動しているアーティストの版画を中心に買い付け、日本のデパ
  ートや画廊に卸しています。

   才能があるけれど売れない作家、ほとばしる才気を持て余し、時間が経つば
  かりで作品が描けないまま消えてしまう作家と、どこの世界にも共通する自己
  相克の末、二度と立ち直れないアーティストが、パリにもニューヨークにも数
  え切れないほどたくさんいるのを見ました。
   私、花岡京子担当のこのコラムでは、海外と日本を行き来する中で気付いた
  《日本の不思議と新発見》の数々を取り上げてみたいと思います。

   第1回は「目線」について考えてみます。

   人間の目線には、その人の心の状態が瞬間的に凝縮されて、相手側に無防備
  にさらしてしまう、というリスクを抱えています。このことに気がついている人
  は、案外少ないのでは…。

   先月ロンドンから帰ってきてから、商用で大阪の梅田へ行ったのですが、困
  惑したのは、道を歩いていて、とにかく向こうから来る人と目線が合って仕方
  がなかったこと。電車に乗って、身体の向きが少し変わったり、うつむいて本
  を読んでいて視線を上げた時に、必ず何人かの目線が飛び込んできます。相手
  は男性とは限らない。品定め的、警戒的、興味ありげにジロリと一瞥する…、
  パターンは色々ですが、自然で涼しげな風のごとき目線は少ないというより皆
  無。ほとんどが、興味津々ジロリ派。そしてその目線の奥には、その人の人生
  の足跡が瞬間、垣間見えるようです。

   外国の場合、このジロリ目線はあまりありません。時たま、強烈な刺すよう
  な目線に遭うことがあっても、ジロジロタイプは少ない。日本と海外の目線の
  違い、何が原因しているのでしょうか? その理由が明確に分析できないので
  すが、時々鏡を貸してあげようかと思うほど、なんとも凄い目付き(なぜそこ
  まで無遠慮に人を品定めするの?!)の人に出会う。当人は、きっと気付いて
  いないんでしょうね。目線も顔の一部ということと、人柄がきっちり語られて
  いるということに。慎み深く、品のいい目線で人に会釈するなど、涼しげな目
  元で会話をすることを心がけたいものです。


  (2000.6.23)

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