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「目線」は入居者

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多様化する仲介現場

「目線」は入居者

賃貸経営の「目線」は入居者
元手を掛けずに特徴を打ち出して、物件の評価を高める

 いつの時代でも賃貸住宅の入居を決定する要因は、「立地」「家賃」「間取り・設備」が大きな比重を占めるため、ここに弱点があるとどうしても後々苦戦を強いられます。

 日々の経営の中で「アイデア」「工夫」「サービス」と、どちらかといえばあまり元手が要らない面で特徴を打ち出せば、それなりに物件の評価を高めることになるはずです。

 ある大家さんは主に募集と契約、原状回復を仲介不動産会社に依頼するほかは、ほとんど自分達(本人、妻、息子)でやってしまうといいます。本業は農業です。

 農業が本職であっても賃貸経営の「目線」は入居者です。例えば、2LDK・18戸の入居者の多くがヤングファミリーであることから、入居者サービスとして駐車場の一角に砂場、ブランコを設け、入居者から好評を得ています。

 この大家さん、空室をつくらないためにほとんど一日中、農作業中であってもどうすれば入居者に気持ちよく暮らしてもらえるか、何か不満はないか、何をすれば気に入ってもらえるか等々を考えています。

 出過ぎれば嫌われるし、クレームの対応が遅く、入居者の不満に鈍感であればアレヨアレヨという間に離れていくので、年中が試行錯誤の連続といいます。

 銀行にローンを返済しても月何十万と儲けさせてもらうのですから、手をこまねいているだけでは、これからの時代は難しいのではないでしょうか、と語っています。

 空室を極力つくらず、空室率を極小にすれば賃貸経営は成り立ち、十分なメリットが得られます。

 賃貸経営の二極化は今後さらに進行するでしょうが、片方のマイナスの極にスベリ落ち込まないためにも、物件の競争力を高めることがますます求められる時代に突入しています。
 

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