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人は誰だって美しくありたい

☆エンジェルのほほえみ(花岡京子)


         人は誰だって美しくありたい


   大阪・心斎橋のDデパートに、ニューヨークのアーティストの版画を売り込
  みに行った帰りに、今、大阪で一番人気のある街といわれるミナミのアメリカ
  村、南船場界隈を少し歩きました。

   大阪市内を南北に貫くメインストリート、御堂筋の南より、地下鉄「心斎橋」
  駅上にあるホテル日航大阪の裏側に続くのが、全国的にも有名なアメリカ村。
  何故こんな名前がついたのか、半分笑っちゃうところもありますが、何か大阪
  風にどーんと呑み込んだ、アジアパワー横丁のはずれにある、本国無関係のア
  メリカイミテーション出張所というイメージ。最初からタウン、ストリートと
  しないで、「村」としたところがユニーク。本物のアメリカと比較して、とい
  う見方は全くナンセンスで、要は、オラが大阪の”村やねん”の感覚なんでし
  ょうね。

   アメリカ村周辺、南船場を歩いていて感じたのは、この街は、若者を“直線
  的”にしてしまう力を持っているのではないかということ。直線的とは、開放
  的で飾りっ気なく、のびのび一本気な生き方を思わせるという意味。確かに、
  街には“解放区”の雰囲気があります。

   そのアメリカ村から5分ほど歩いたところにALFRED DUNHILL、 CHANEL、LOUIS
   VUTTON、GIORGIO ARMANI、Max Mara、Cartierといったブランドが店を構えて
  います。店のつくり、デコレーション、ショーウインドーはもちろん、照明ひ
  とつ、窓ガラスのカットまで全然違います。本物の持つ風格であり、貫禄であ
  り、美しさです。無国籍風街並みのオラがアメ村から200〜300メートル離れた
  だけのところに、これらのブランドショップが集中して立地する。ここの客筋
  とアメ村に通う若者は別だから、これだけ極端なショッピングゾーンがひとつ
  の街に存在するのでしょう。
 
   しかし、違うんです。アメ村で2000円のブレスレットを買う20代の女性と、
  LOUIS VUTTONで10万円のバッグを買う20代の女性は同じ階層の人たちです。決
  して金持ちでお金にゆとりがあるからARMANIのドレスを買っているのではない
  のです。CHANELの靴もCartierのバッグも、アメ村の500円のブローチであって
  も、自分を引き立てるがために手に入れるのです。

   自身を個性的に引き立て、美しく表現するために自分にあったものを買い、
  身につけるという若さの自意識を見せつけられた思いがします。
   だからというわけではないのでしょうが、この街を歩いている女性は皆美し
  い。身長も160センチはゆうにあって、170センチ近い女性も珍しくありません。
  スタイルもいいし、ヘア、ファッションともに十分に気を配っている。若者だ
  けに許された輝きを放っています。

   人は誰だって美しくありたい。ありたいがために、他人と違った服装をして、
  髪形を整え、唇にルージュを引く。よく言われる、若いうちは何もしなくても
  美しいと。しかし、アッという間に若さはどこかに行ってしまう。時間を経て
  経験を積んでいく中で、自分を内面から美しく見せる工夫が必要ということは、
  後になって知ることとなるのです。

   例年になく厳しい暑さであった今年の夏も、日に日に秋風を強め、女性の服
  装も変わり始めています。秋のファッションを身にまとった女性たちが、また
  シックに装う季節でもあります。久しぶりに大阪の街を歩いて、ピカピカに輝
  く若い女性たちを見たせいか、ちょっと感傷的な気分になった今週のコラムで
  した。


  (2000.9.8)

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