将来の賃貸住宅経営を見据え「ユニバーサルデザイン」の発想も視野に
将来の賃貸住宅経営を見据え「ユニバーサルデザイン」の発想も視野に
バリアフリーから一歩進んだ考え方
バリアフリー賃貸住宅は、障害者や高齢者が住みやすい住環境を整えた住宅
「ユニバーサルデザイン」という名称をご存じですか。「経済新語辞典」(日本経済新聞社発行)に、こうまとめられています。「高齢者や障害者の不都合を取り除くバリアフリーから一歩進んだ考え方」。住宅政策担当の国土交通省は、「あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方」(「障害者基本計画」2002年12月閣議決定)と説明しています。
それでは賃貸住宅との関係はといえば、高齢社会に対応する賃貸経営を考えた場合、バリアフリーに配慮した設備の充実が求められているのですが、そこから一歩踏み込んで、「障害者の地域生活」を充実させる機能を持たせることになります。
バリアフリー賃貸住宅は、部屋の中の段差を少なくしたり、トイレや浴室に手すりを設けたり、段差スロープを設置するなど、動きを妨げる障壁(バリア)を除去(フリー)して、障害者や高齢者が住みやすい住環境を整えた住宅です。
国の方針でも2004年に策定された「バリアフリー化推進要綱」が基本となっています。
こうした施策の拡充を図る段階で、生活者・利用者の視点に立って、夫婦、子供、さらには子供連れなども対象としたのがバリアフリー・ユニバーサルデザインの広がりとなりました。
より快適で生活しやすい環境を整備することを指す
つまり、バリアフリー・ユニバーサルデザインとば、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間など個別の施設だけではなく、生活空間全体を面として捉えて、より快適で生活しやすい環境を整備することを指しています。
具体的に住宅については、どのような内容が盛り込まれているかといえば、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消。また、共同住宅のうち、道路から各戸の玄関まで車椅子等で通行可能な住宅の整備推進のような施策がプランニングされます。
賃貸住宅に具体的に応用されるのはまだ少し先のことかも知れませんが、大きな社会のうねりとして高齢化対策が直近の課題とされ、また賃貸経営においても個性化や差別化の推進が求められているだけに、こうしたユニバーサルデザインといった発想を視野に入れておくことも必要ではないでしょうか。
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