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相続税対策、賃貸投資の活発化を背景に、賃貸市場の競合は一層シビア

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相続税対策、賃貸投資の活発化を背景に、市場の競合は一層シビア

 借り手有利な市場を反映して、難しい経営の舵取

 2013年1~12月の1年間に全国で新築された賃貸住宅は、35万6,263戸。前年比11.8%増で2年連続の増加となっています。過去5年で一番多い戸数です。地域も首都圏、中部圏、近畿圏と三大都市圏総てで前年を9.6~18.8%上回るなど高い伸びを見せています。

 中でも2013年の12月は前年同月比約30%増と、10ヵ月連続の増加。まさに記録的ともいえる新築戸数が目を引きます。ただ全国的に貸家の新築傾向を見ると、1都10県で前年実績を下回っています。前年比で最も高い伸びとなっているのは、震災関連として福島県の50・2%増。岩手、宮城、秋田3県が40%台の増加。

 賃貸住宅の建設がこのように膨らんだ理由は、やはり消費税増税前の駆け込み需要、そして消費税対策をにらんだ賃貸需要が見て取れます。さらに背景にあるのは、アベノミクス効果による生産拡大や個人消費の伸びが影響して、不動産市場を押し上げ、住宅市場活性化の動きとなっていることです。

 ただ年が明け、今後4月以降は消費税引上げを見越した需要の反動期を迎えるので、過去半年ほどの高い新築はないだろうと予測されていますが、2月の貸家の新設着工は、前年同月比24.7%増の2万7,744戸で、前年同月比で12ヵ月連続の増加となっています。依然高い伸びを見せています。

 今後も経済の回復基調が続き、賃貸経営の投資マインドがさらに高まれば、2015年10月の再度の消費税引上げ予定を前に、今年1年は賃貸住宅着工の増加傾向が続くと見られています。

 その一方で恒常的に空き家を抱え、賃貸市況においても軟調な実態は変わらず、賃貸経営を脅かす空き家の存在は見逃せません。国が5年ごとに実施している「2013年住宅・土地統計調査」結果の速報が今年7月に公表されます。5年前の2008年の賃貸住宅の空き家431万戸をどれだけ上回るのか注目されるところです。

 気になる空き家の動向  

 この2月に総務省から公表されたデータ(『共同住宅の空き家約460万戸について分析』参照)で見ますと、1981年~2000年の20年間に建てられた賃貸住宅の空き家が115万戸で、空き家全体の34%を占め、2001年以降では42万戸、12.2%となっています。

 このように消費増税による駆け込み需要、相続税対策による需要の拡大、そして賃貸投資の活発化等が主な要因として、ここ1年新設された賃貸住宅が、これから賃貸市場に出回ってきます。借り手有利な市場が濃厚な時代だけに、難しい経営の舵取りを余儀なくされます。

 大量供給される新築と築10年、もしくは20年、30年クラスの物件との競合が一段と厳しくなるのが、今年の賃貸市場の特色といえそうです。経済環境の変化も相まって、賃貸市場の競合は一層シビアになっています

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