自然災害時の賃貸人の賃借人に対する賠償責任
賃貸経営用語解説
自然災害時の賃貸人の賃借人に対する賠償責任
(しぜんさいがいじのちんたいにんのちんしゃくにんにたいするばいしょうせきにん)
万一、地震で賃貸住宅が倒壊した場合、貸主(賃貸人)の借主(賃借人)
に対する賠償責任はどのようになるのか。
民法や借地借家法では、地震のように予知、防ぐことのできない自然災
害が発生し、それによって建物が滅失した場合には契約は消滅するので、
賃貸借契約も効力を失い、賃借人の権利もなくなる。
そのために貸主は、賃貸借契約前の「重要事項の説明」において、宅建
業法37条(10)で「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め
がある時は、その内容」を記載することとしている。
賃貸人は万一に備え、宅建業法37条を反映させた「賃貸借契約書」を作
成。「天災、火災の為、家屋が滅失した場合、本契約は消滅する」(契
約の消滅)、また、「当事者に帰すべきでない事由によって蒙った双方の
損害に対しては、その責を負わぬものとする」旨を契約書の中に記載し
て、対応している。
ただ、地震でも建物が壊滅する規模ではなく、小修理で修復できる場合
は、賃貸人(家主)の損害修理となる。
また非常事態には、1946年に制定された「罹災都市借地借家臨時処理法」
(罹災法)によって、倒壊、焼失した後の不動産賃貸借の権利調整を定
めている。被災地における借地契約や借家契約に関する特別法で、政令
で定める地震などの大災害で建物が滅失した場合、その建物の借主は優
先して賃借権が認められる。
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