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「一本釣りされた入居者」

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賃貸「入居者事情」

「一本釣りされた入居者」

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不動産会社の店頭で、入居者を探す初老の大家さん

 JR山手線M駅前で、仲介専門の不動産会社の物件案内の立て看板を見ている若い男性サラリーマンに初老の男性が近づき、「部屋をお探しですか」「私は○○町駅から西に歩いて10分ほどのところにアパートを持っています。もしよろしければ借りてもらえませんか」
 
 「畳6畳の間に板間が少しついています。トイレ共同、フロなしで家賃1ヵ月4万5,000円、共益費2,000円。敷金1ヵ月、礼金ナシ、仲介料もいりません。どうです、一度見られませんか。もしよろしければこれからご一緒しますが」と、所有する物件への入居を促しています。

 
 まずもって大胆不敵な大家さんですね。不動産会社の店頭で、物件をチェックする入居者を一本釣りするのですから、勇気(?)と発想(!)は買えますね。
 
 この若いサラリーマン、懐がさみしかったのか、条件のよさにつられて物件を見にいきました。アパートといっても自宅併用スタイルの貸間で、敷地の中に建物があって、入口が東西南北に独立して1戸に1ヵ所ずつ計4ヵ所。
 
 そのうちのひとつが大家さん宅の玄関、ほか3つは入居者それぞれの入口。玄関は扉ひとつ開ければ奥行1メートルほどのセメントのたたき。靴箱もなにもなし。6畳の間に押し入れ。壁は白のしっくいで清潔、畳は本間で少し古いながらも安物ではなく、落ち着いた感じ。天井には蛍光灯がぶら下がっている。
 
 若い男性はしばらく考えていたが、住宅街の中で環境も悪くなく、そのまま契約した。契約といっても特段賃貸借契約書もなく、賃貸借上の注意書きに名前と勤務先を書いた程度。家賃は文房具店で売っているような「通帳」にお金を払えばその月の欄に印鑑を押してくれる。
 
 最初に確認していなかったようで、住み始めて気がついたことは、トイレが共同ですから大小とも全員で利用する点。大家さん宅と入居者3人が共同使用になる。洗面も同じく共同で、タイル調のやや横長の流し台風の実用的な使い勝手のいいもの。フロはなく、歩いて3分ほどの近くにある銭湯に行く。
 
 という風に書いてきたのですが、特に話のオチはなく、何かしごくのんびりした(見方によっては無謀な)いまだに東京でこんな賃貸住宅があるのかと思う話です。もう少し具体的に書けば場所が特定されそうですので、この辺にしておきます。

 「一本釣りされた入居者」
 「解約金が返ってこない」
 「無類の“ペット好き入居者”」
 「痴話喧嘩大騒動」
 「賃借人であると同時に、大家さん」
 「タダより高いものはない」

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