「更新料」裁判(「こうしんりょう」さいばん)
賃貸経営用語解説
「更新料」裁判 (「こうしんりょう」さいばん)
賃貸住宅の更新料の支払いをめぐる訴訟3件の最終弁論が2011年6月10
日、最高裁第2小法廷で開かれ、借主側、貸主側両者が意見を述べ、結
審。司法の最終結論となる最高裁の判決は2011年7月15日。消費者契約
法10条の「消費者の利益を一方的に害する契約」の判断が焦点となって
いる。
高裁段階で判断が割れた、上告審に対する最高裁の統一判断は、国の見
解となり、更新料条項の今後の扱いが、ほぼ決定されることになりかね
ない。
今回の最高裁による裁判は、京都(2件)と大津(1件)の借主が起こ
した訴訟で、地裁においては3件のうち2件で更新料の支払いは有効、
1件が支払う根拠がないので無効と判断されたもの。
上告された大阪高裁では2009年8月に無効とされ、同年10月には別の裁
判長が有効とし、さらに2010年2月には無効と判断するなど、同じ大阪
高裁においても担当する裁判長によって、有効1件、無効2件と判決が
分かれていた。
更新料めぐる貸主側と借主側の主な見解は、貸主側が、更新料は賃料の
一部で家賃を補充している、賃借権延長の対価である、基本的に合意の
上で契約している、と述べている。
一方借手側は、家賃の二重取りになる、「消費者の利益を不当に害する
契約は無効」とする消費者契約法に違反、契約の更新は借手の当然の権
利、などと主張。
▼更新料の裁判をめぐる貸主側と借主側の主な論点
[貸主側]
・更新料は賃料の一部で家賃を補充している。
・更新料がなければ賃料が高くなることもある。
・賃借権(更新拒絶権放棄)の対価である。
・基本的に、合意の上で契約(特約)している。
[借手側]
・家賃の二重取りになる。
・「消費者の利益を不当に害する契約は無効」とする消費者契約法に違反。
・契約の更新は借手の当然の権利。
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