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シェークスピア『マクベス』が教えてくれる 人間劇の謎解きフレーズ

☆エンジェルのほほえみ(花岡京子)


    シェークスピア『マクベス』が教えてくれる 人間劇の謎解きフレーズ


   シェークスピア四大悲劇の一つ『マクベス(Macbeth)』といえば、人間の原
  罪というべき”猜疑心”と”嫉妬心”をあまりにも見事に描いた名作です。ほ
  ぼ400年前に原作が書かれて以来、世界中で様々な言葉により演じられてきまし
  た。戦国動乱期の権力闘争から生まれる人間模様を下敷きにしていますが、そ
  の世界は現代の人間関係にもそっくりあてはまります。
 
   ストーリーはよく知られている通り、魔女の予言と夫人の示唆によって王を
  殺すスコットランドの武将マクベスの葛藤、不安、挫折、破滅が濃密なセリフ
  で展開されていきます。

   中でも印象的なのは、冒頭の魔女の言葉、

    When shall we three meet again?
    In thunder, lightning or in rain?
    今度は3人いつ集まろうか
    雷、稲妻、それとも雨のなか?
    と、
    Fair is foul,and foul is fair.
    きれいは汚い、汚いはきれい。

    ※日本語訳は「英語名句事典」(大修館書店)より。

   劇中の「マクベス」全体に、詩的表現がふんだんにあって、同作品の人気の
  一つには、この詩的な部分の簡潔な言葉の響きにあるといわれています。

   《今度3人いつ集まろうか。雷、稲妻、それとも雨の中?》
  魔女が主人公マクベスをたぶらかすのに、どこで集まろうかと相談しているの
  ですが、ドラマの盛り上がりを狙ったとはいえ、雷、稲妻、雨の中…と、人生
  の不気味を暗示しています。

   そして、3人の魔女が呪文のように唱える《きれいは汚い、汚いはきれい》
  は、『マクベス』という劇の主題を凝縮しているように思えてなりません。

   この言葉は、あまりにも分かり易く平易すぎて、スーッと流れてしまいそう
  ですが、現代の日本の世相と照らし合わせて、人間社会を見る”フレーズ”と
  して見た場合、寸分たがわず実にピッタリします。400年前の人間模様を解く
  言葉が現代にも見事に生きているという感じ。

   たとえば、先日の自民党の”加藤政変”も、この《きれいは汚い、汚いはき
  れい》を照らし合わせて見ると、色々なものが見えてきませんか…。職場とか
  学校とかの、私達の日常生活での出来事も、この《きれいは……》に透かして
  みると、様々なものがよく見えます。

   現代の人間劇の謎解きフレーズに、Fair is foul,and foul is fair.は、あ
  まりにもピッタリしています。シェークスピアの『マクベス』は、今も私達の
  耳元に語りかけるようではありませんか。


  (2000.12.1)

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