ニューヨークは画廊の街
ニューヨークは画廊の街
世界のコンテンポラリー・アート(contemporary art)の中心は、やはりニュ
ーヨーク。すでに何度かお話ししたように、アメリカ経済の活況を受けてアー
トの世界も、コレクター、ギャラリー、アーティストともども元気がいい。
常に時代の最先端の胎動が芽吹いていて、世界に向けての発信地になっていま
す。60年代のポップ・アートから現代に至るまで、次々と新しい手法による表
現形式が登場しているのです。
ニューヨークは画廊の街としても知られています。その数およそ300と少し。画
廊街は3つあって、そのうちのひとつがマジソン街や57丁目のアップダウンの
ギャラリー街。ここに行くと、現代アートギャラリーが軒を並べ、R.アートシ
ュワガー、R.ブレックナー、ウォーホル、ジョン・バルデサリー、デヴィッド
・サールら巨匠の作品が数多く展示されています。
ふたつ目がミッドタウンとマジソン街の間。やや規模の大きい画廊が集中して
います。
そして現代では、ウエストブロードウェーを中心にして4ブロック東のブロー
ドウェーまで広がっているSouth of Houston=SOHOがすっかりファッショナブ
ルなアート・ムーブメントとして人気を博しています。SOHOには、若い芸術家
の才能が集積しているという感じ。無名作家から戦後ポップアートの巨匠まで、
一度に見ることのできる画廊街でもあります。
今回、いきなりニューヨークの画廊の一端のお話をしてしまいました。土地カ
ンがない方にはピンとこないかもしれませんが、要は、政治や経済だけではな
く、美術品の展示物の数だけでも途方もない規模を誇り、芸術の分野において
もニューヨークは触覚の鋭い街であるということをお伝えしたかったのです。
(2000.10.13)