笑みを浮かべて英語を話せば、ニューヨーカー
笑みを浮かべて英語を話せば、ニューヨーカー
ニューヨークのマンハッタンは本当にグルメの街。
以前、レストランガイド『ZAGAT SURVEY』をつくっているザガ
ット夫妻と食事をご一緒する機会があって、ニューヨークと東京のレストラン
比較になった時、その質、量において、東京はニューヨークに太刀打ちできな
いと、キッバリ言い切ったのが印象的でした。
人種の坩堝といわれるニューヨークは、地球上から実に様々な人が集まって
きます。その人達の胃袋を満たすのに、ありとあらゆる料理が提供されている。
肉、魚介、野菜などの豊富な食材、それを生かす多彩な調味料と料理の数だけ
ある調理法がニューヨーカーの鋭い味覚に応えています。東京にいかに無国籍
風の料理があふれているといっても、ニューヨークのバラエティーに富んだ多
彩な内容とは全然違うというのがザガット夫妻の言い分でした。
現在の国連加盟国が確か185ヵ国だから、この出先機関の数だけでも180を超
え、そこで働く人達や関係する人々の食欲を満たすレストランがあるわけだか
ら、そのメニューは大変な数になるのは間違いありません。
ニューヨーカーは大柄(私達日本人に比べ)ということもありますが、大食
漢でうまいものに目がないことから、街のあちこちにおいしい店が並んでいま
す。アメリカへビジネスのために行って英語をしゃべるのは当たり前なんだけ
ど、観光旅行でもちょっとした英語を使えるだけで食事の雰囲気が全然違って
くるのです。
May I have a menu please?(メニューを見せてください)
Can I have this one?(これをください)
Check please.(お勘定をお願いします)
ニューヨークを賛美するわけではありませんが、ヨーロッパと違って、街が
訪れる者に”よそ者”扱いをしないのが特にいい。レストランで笑みを浮かべ
て食事のオーダーを英語で軽く出すだけで、誰だってニューヨーカーになれる
のです。
7月から始まったニューヨークの画廊の夏休みも、そろそろおしまいになり、
お金持ちもカリブやロッキーの避暑地から帰ってきます。9月に入って秋風が
吹き始める頃には、美術館やアートギャラリーの企画展が始まり、オークショ
ンが活況を見せます。Midtown North(59th〜42nd St.)5番街と7番街、48丁
目と52丁目のストリートがきれいになって、今年の秋はニューヨークが一段と
楽しくなりそう。
(2000.8.21)