賃料を低く抑えて、契約を伸ばす市場傾向(2010年10月22日)
賃料を低く抑えて、契約を伸ばす市場傾向
一朝一夕に改善されるはずもなく、賃貸市場の冷え込みは、しばらく続く
昨日(10月21日)、アットホームから直近(9月)の首都圏における賃貸市場動向が発表されましたが、やはり今日の市場の特性がよく表れています。
その中で、やはり目を引くのは賃料の傾向。
「平均賃料は、マンションでは新築が前年同月比3ヵ月ぶりに上昇したが、中古は同10ヵ月連続下落。またアパートは、新築が同9ヵ月ぶり、中古は同2ヵ月連続で下落しており、賃料の下落が成約に結びついた面もある」というように、賃料を低く抑えたことで、契約を伸ばすケースが増えているようです。
事実、「1平方メートルあたり成約賃料の首都圏平均は、賃貸マンションが前年同月比1.5%下落、1戸あたり成約賃料の首都圏平均は、賃貸アパートが同0.9%下落し、2ヵ月連続のマイナス」とマイナス傾向の定着を示しています。
賃料の低下に輪をかけて、市場を軟調にしているのが礼金。礼金「1」から「ゼロ」物件が急速な広がりを見せています。
礼金については、日本賃貸住宅管理協会の賃貸住宅景況感調査 『日管協短観』(2009年10月~2010年3月)を見ても、「礼金なし物件」は全国規模で増加しています。
アットホームなど、各ポータルサイトが反響を取るために「敷金礼金なしの賃貸物件」コーナーを設けているほどですから、自然こうした流れに拍車がかかっています。
市場軟調のこうした背景にあるのは、景気の低迷と空室増大の存在。両方とも一朝一夕に改善されるはずもなく、賃貸市場の冷え込みは、しばらく続くようです。
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(2010.10.22)