あらためて浮き彫りになった、賃貸経営における地震の備え
“あらためて浮き彫りになった、賃貸経営における地震の備え
“賃貸・地震ニーズ”がポイントに
2011年最大の出来事で忘れられないのが、3月11日に発生したマグニチュード9.0、日本の観測史上最大規模の東日本大震災。被災地の東北地方をはじめ、広域の自治体に、甚大な被害をもたらしました。賃貸経営にも様々な影響を投げかけています。
何の前触れもなく突然襲いかかって打つ手がない地震だけに、あらためて賃貸経営における地震の備えが浮き彫りになりました。
賃貸経営に関するマニュアル本は、随分発行されているのですが、その中に意外と「地震にどう備えるべきか」といった提示はあまり見られません。
賃貸経営と地震対策といえばまず第一に、「入居者の安全と住環境の整備を図る」こと。そして次に、建物の耐震性を確保するために「建物の保全(安全)対策」を図ることではないでしょうか。
大規模な地震が発生すれば、基本的には「民法や借地借家法では、地震によって建物が滅失した場合には契約は消滅するので、賃貸借契約も効力を失い、賃借人の権利もなくなる」となってしまいます。
それでも「入居者の安全」を図るために、「建物の保全」に万全を尽くすことは最低限求められます。
当面の対応としては、耐震診断を受けて、ブロック塀など耐震基準に見合う耐震・耐久工事を完了し、アパート・マンションを守るために、必要経費として処理できる「地震保険」に加入して、契約書の整備などの対応策に取り組んでおくこと。
さらに、「賃貸借契約書」を整備して、「罹災法」の項目などを理解し、仲介・管理など取引きのある不動産会社と連携を密にする。
これから賃貸住宅を探す消費者動向にも賃料等の入居条件、防犯・治安の安全性に加えて、耐震・安全物件への関心が一気に高まるなど、“賃貸・地震ニーズ”が住居を選ぶ人のポイントになる傾向が、さらに強まると見られます。
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► あらためて浮き彫りになった、賃貸経営における地震の備え
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