一括借り上げと賃貸経営
賃貸メモランダム
一括借り上げと賃貸経営
まかせ切りでは主体性が弱く、先々不安が残る
賃貸経営を計画し、始めるにあたっては、一括借り上げあるいは家賃保証の付加に安心して踏ん切りをつけた、という土地所有者の方が多くおられます。
土地を活用して賃貸経営を始めると、毎月家賃が入ってくる魅力は十分に感じるものの、収入にバラつきが生じるのが困るという不安感をなくしてくれるのが、一括借り上げであり家賃保証。
兼業農家が、所有している農地を持て余して賃貸経営を始めるきっかけになるのが、一括借り上げシステム。決められた金額の家賃が毎月入ってくるので安心しきっています。
建物完成後、日々の清掃を含め、家賃集金等々一切合財の管理をやってもらい、毎月決まって一定金額の家賃が入ってくる一括借り上げシステムは、賃貸経営の理想形でもあります。ただこうした賃貸経営のシステムを円滑に進めるため、高度な手法が使われています。
頭から信頼して任せるのも一つの選択肢なんでしょうが、理想形といってあなたまかせに頼り切るのでは先々不安が残ります。
一括借り上げ、あるいは家賃保証付きに関しては、新たに賃貸経営を始められる多くの土地所有者が頼っていて、これがあるから賃貸経営を始める、という声はよく耳にします。
建設会社同様、管理会社も「管理」を細分、高度化して商品化し、「一般管理」「総合管理」「一括借り上げ」等、取扱商品を差別化、高付加価値化して業務の充実を図っています。
一括借り上げにともなう経営上の各種の保証は保険的要素も強く、保険には保険料が必要なように、管理の管理料は賃貸経営安定の足もとを固める必要経費ともいえそうです。
40年公務員を務め、退職金を投じて賃貸経営を始められた山下憲一(仮名)さんは、公務員だったために物品売買によって利ざやを稼ぐといった経験もなく、概して商売にうとく、「青色申告」についても何も知らず、賃貸経営の「利回り」も初めて聞く言葉といわれます。
しかし新米大家さんでも、毎月(家賃が)いくら入ってきてそれが何年続き、ローン借り入れが終わる頃には入金がトータルでいくら見込めるか、ほぼ1億円投じて賃貸経営を始め、「結局いくら儲かるのか」といった数字だけはきっちりつかんでいます。
一括借り上げと管理業務、そして保険業との関わりがクローズアップされる一方、10年どころか、20年、30年の一括借り上げを前面に打ち出した商品が売り出され、今後ますますこの制度の行方が注目されるところです。
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