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「めやす賃料表示制度」スタート (2010年10月12日)

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◆ 賃貸経営の今を読む (峰 匡太郎)

「めやす賃料表示制度」スタート

これまでの金額より高くなるといった現象も

「めやす賃料表示制度」がこの5日にスタートしました。(財)日本賃貸住宅管理協会(日管協)が音頭を取った制度で、借主・貸主間のトラブル解消に役立てばいいといった思いで始められたものです。
  
めやす賃料とは「賃料、共益費・管理費、敷引金、礼金、更新料を含み、賃料等条件の改定がないものと仮定して4年間賃借した場合(定期借家の場合は、契約期間)の1ヵ月当たりの金額」を指します。

つまり、4年間の(賃料+共益費・管理費+敷引金+礼金+更新料)÷48ヵ月の計算。
  
やはり見た感じ「更新料」の扱いがポイントではないでしょうか。当然、商圏に更新料がある地域とない地域があるわけで、ない地域でも、めやす賃料の算定基準に更新料が入ってくると、全体の金額も違ってくる点。これまでの金額より高くなるといった現象が出てくるかもしれません。
  
日管協は、めやす賃料を利用するメリットとして、
  
1.借主が支払うべき金額が容易に理解できる
2.商習慣等で異なる賃貸住宅市場においても、公正・公平な判断を持って物件を選択できる
3.不動産業者にとっても、トラブルの未然防止に繋がる
  
3点を挙げています。
  
業界ではデジタル化が進み、様々な広告媒体の表示に負担

日菅協は主に管理会社を主体とした団体ですから、エンドユーザーである入居者の不安や疑問を取りのぞき、部屋を借りやすくする土壌をつくることは、消費者の利益を守り、ひいては仲介不動産会社、さらには貸主側の経営環境の整備に役立つことと思われます。
  
ただ、賃料説定はやはり賃貸経営の根幹部分ですから、家賃等の値決めは市場の空気を見て総合的に判断されるわけで、なかなか機械的な計算一本で決まるというわけではないと思います。
  
消費者にすれば、商品(住居)選択の際の参考データとして、ひとつのメドになることは間違いない。
  
ところで、業界の物件データ管理のデジタル化がここ10年で急速に進んでいるだけに、このめやす賃料を現状の賃料にプラスして管理し、様々な広告媒体に表示するのは相当負担になるのでは。

集客に使うチラシの図面欄や情報誌、WEBの備考欄に記載するにも、さらには「重要事項説明書」にも取り上げるにも工夫が必要となってきます。
  
日管協は大手のポータルサイトの賛同を得て、来春の本格実用化に努めるといいますが、社会的認知、業界における浸透には、まだ時間を要する感じを受けます。

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(2010.10.12)


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