「追い出し屋」被害について(2009年1月27日)
「追い出し屋」被害について
何事も過ぎれば反動が来る通り、一部保証会社の「追い出し屋」被害が社会問題となって、国(国土交通省)によるガイドラインづくりが急ピッチで進んでいる。
貸した部屋の家賃を取り立てるために、最短で債権の回収に動いた結果、手段を選ばぬこととなって、力ずくで追い出しを図った次第。
住居は人にとって大事な生活の場である。そこを十分な説明もなく追い出そうとすれば問題となるのは火を見るより明らか。ちょうど「派遣切り」が起きて世間の耳目を集めている時だけに"貧困ビジネス"の名の通り、生活弱者を追い詰めたことから社会の指弾を受ける形となっている。
しかし度を過ぎたやり方は非難にさらされるとして、家賃滞納は本当に賃貸経営を苦しめる。支払い期限の過ぎた溜まった家賃を矢の催促をしてもない袖は振れぬと言われ、それでは解約して明け渡しを求めても、ハイ分かりました、とはいかない。民法の特別法として借地借家法が生活者の安全と権利を守っている。
保証会社による「保証業務」も本来は、入居者は煩わしい連帯保証人を探さなくてすむ、家主は家賃滞納の心配から解放される、万一解約、明け渡しに発展した場合の手続きも事務的にスムーズに進む、仲介会社にとっては連帯保証人が確保されるので、営業窓口が広がり、契約の促進が図られる、保証会社は新ビジネスとして売上げを伸ばす。と、それぞれがメリットを享受するシステムのはずだが、歴史の浅いサービスであることや規制・法律が明確でないことから、運用の仕方で不祥事に発展することとなった。
国交省は昨年12月に保証会社の実態調査に着手、来月にも調査結果とガイドラインを公表する意向とされているだけに、今回は早い対応が実現しそう。
賃貸住宅の保証業務に対して監督官庁がなかっただけに、これを機に登録制が採用されたり、業務の役割や分担など細目が明確になると見られている。
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(2009.1.27)