アンケート調査に見る若者が抱く“賃貸住宅ニーズ” (2009年3月20日)
アンケート調査に見る若者が抱く“賃貸住宅ニーズ”
現在の若者の賃貸住宅に対するリクエストが、見事に浮き彫りにされています。これを見れば、若者が抱く“賃貸住宅ニーズ”がよく分かり、今後の賃貸経営に役立つ格好のデータとなります。
不動産総合情報サービスのアットホーム(株)が昨年10月の4日間、一人暮らしをしている大学生を対象に実施したインターネットのアンケート調査「一人暮らしの実状と部屋探しについて」で、北海道の札幌から九州の福岡まで全国5エリアの結果が公表されています。
大学生といえばアルバイトをしているとはいえ親の仕送りで生活する身でありながらも、自身が住む住居に関してしっかりした“考え”というべきか、明確な要望をもっています。
大家さんとしてはこのデータにジックリ目を通して、今日の若者気質を確認しておく必要があります。親の援助を得ている学生すらこれほどの要望があるのですから、ましてや自活している20代〜30代のメインの賃貸ユーザー層ならもっとはっきりした要望を持っているはずです。
データのアウトラインを見ますと、まず設備面で、
・ なくて不便なのはやっぱり「防音」。(札幌・仙台エリア)
・ なくて不便はダントツ「防音」。
あって当たり前の「エアコン」。「バス・トイレ独立」「広い収納」も必須。(首都圏)
・ 今の住まいは「エアコン付き」「バス・トイレ独立」「フローリング」。(中部エリア)
・ ほとんどが「エアコン」付きの部屋に住み、「バス・トイレ独立」も7割超。(近畿圏)
・ 「防音」設備がないと、とっても不便。「CATV」や「宅配ボックス」もね。(福岡エリア)
と、これが現実なんですね。
親の元で裕福に育っただけに、生活レベルを落としたくないという気持ちから、「防音」「エアコン」「バス・トイレ独立」「広い収納」等が必須となっています。
次に引っ越すならの項目では、5エリアとも「日当たり・通風」「セキュリティ」「設備」の重視度が大幅に上がっています。
今の住まいでこうした条件が満たされていないためか、次の引越しで実現したい気持ちが強いのが分かります。
入居者を物件に導いてくれる「不動産会社を選ぶ際のポイント」では、
・ 明るい雰囲気があり
・ ネットで情報提供
・ 親身になってアドバイスしてくれる会社
といった項目が上位を占めているのは、率直な感想だと思われます。
さらに、「現在の住まいをどのようにして探したか」では、
・ 住みたい街の不動産会社を直接訪問した
・ 先輩や友人などに不動産会社を紹介してもらった
・ インターネットを利用した
・ 住宅情報誌を利用した
など、不動産会社(の雰囲気)、インターネット(設備の内容)、情報誌(発行、掲載の規模)の存在がやはり大きい。大家さんとして仲介依頼先の不動産会社を選ぶポイントになります。
こうしてみますと、大家さんとしては所有する物件の内容をチェックして、賃貸経営を根本的に問い直す必要に迫られるかもしれません。
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(2009.3.20)