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京都地裁「更新料無効」判決の波紋 (2009年7月28日)

◆ 賃貸経営の今を読む (峰 匡太郎)

京都地裁「更新料無効」判決の波紋

 先週7月23日の京都地裁の判決「更新料無効」が、賃貸業界に大きな波紋を投げかけています。

 更新料と同時に敷引金も無効とし、特約すら認めない点が大きなショックとなっているようです。

 まだ地裁の判決であるといっても、更新料の返還を命じた判決は初めてですから、その影響は激震といえるもの。

 賃貸住宅において、数十年にわたって行われてきた慣習である
 ・ 礼金
 ・ 更新料(更新手数料)
 ・ 敷引金(解約金)
 が時代が変わって、今、そのあり方が問われています。

 昔はなかった消費者契約法がつくられて「消費者保護の流れ」が一段と強まる中、家賃を払う者がなぜお礼のお金を払うのか、1年、2年と長く住むのに、契約を重ねるごとになぜ更新料がかかってくるのか…と、素朴な疑問を感じる入居者が増えているのです。

 賃貸経営者にすれば、更新料などそれぞれは賃貸経営を営んでいく上で総収入に対する「補充的性格(要素)」である、入居者に常に最善のサービスを提供するために必要とするお金の一部である、というのが言い分で、第一、利益も十分に出ないビジネスは、やってられないというのが本音だと思われます。

 賃貸住宅に限らず、消費者は余分な負担を嫌い、少しでも安いものを求めるもので、払わなくてもいいのなら払いたくないのが素直な気持ち。

 今後、地裁から高裁、あるいは最高裁へと上級審で審理され、そこでの判決が社会のルールとなって形成されていくのでしょうが、その判断が注目されるところです。

 ただ、そもそもが賃貸経営は、ほぼ大半個人が大金を出費して始める事業で、その目的はただ一点、利益を得ること。

 商売なんですから、儲ける可能性があれば利にさとく、機を見るに敏、臨機応変に対応する気概が鈍いと、十分な利益を上げることはできませ
ん。

 当然、何をやっても許されるというものではなく、業界にはバイブルともいえる宅建業法があって、さらに地元の条例、国の指針、法律で消費者とともに業者のビジネスが規制され、また守られています。

 長年の商習慣、地域色の強い慣習に基づく取引き(賃貸仲介)は、時代の流れを受けて舵を切らざるを得ない状況に立たされているのかもしれません。

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(2009.7.28)

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