人口減少にかかわらず、世帯数が増えている (2010年8月3日)
人口減少にかかわらず、世帯数が増えている
全国の世帯数は5,336万2,801世帯、前年に比べて48万4,999世帯増加
今年3月31日現在の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」が先日、総務省から発表されました。
少子高齢化の進行、人口減少が顕著となり、全国の人口は1億2,706万人と3年ぶりに減り、死亡者数が生存者数を上回る自然減は過去最多となっています。
こうした中、注目されるのが世帯数の実態です。全国の世帯数は5,336万2,801世帯で、人口減少にかかわらず前年に比べて、48万4,999世帯増えています。
世帯数は1968年の調査開始以来、増加を続け、この1年で前年比およそ10%の増加となっています。ただ、1世帯の平均構成人員は、2.38人となり、これまた調査開始以来、毎年減少しています。ちなみに、68年の調査時は1世帯平均3.76人。
この世帯数に関して、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」(2005年~2030年)では、2020年辺りまで増え続け、その後ゆるやかに減少していくと予測しています。
こうした調査・推計を賃貸経営に照らしてみますと、単純には言えないことですが、世帯数が年間50万近く増えているのですから、このうちかなりの層で、賃貸住宅を必要としているわけです。
世帯数の増加が賃貸需要の増大に結びつく・・
賃貸住宅の需要者、つまり入居者の市場規模が過去40年ほどの間、毎年増え続けているのは確かなことで、しかも向こう10年間その傾向が続くのです。
つまり、これからの賃貸市場を取り巻く環境は、少子高齢、人口減の流れのもと、世帯数はまだ当分増加するということ。
世帯数が増加するということは、ほぼストレートに賃貸需要の増大に結びつくと見ていいのではないでしょうか。
ただ、言うまでもなくこうした調査・統計の数値は、全国の平均値なわけですから、どこの都市・町にも当てはまる共通した現象とは言い切れません。
人口構成と増減、世帯数の増減傾向、さらには他の都市からの人口移動の割合、規模等、各都市特有の事情があるわけですが、そうした状況、町の様子を仔細に見て、賃貸経営の舵取りを進めることが肝心要となっているのです。
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(2010.8.3)