今後の高齢者需要を注視、新しい高齢者向け賃貸市場の形成
今後の高齢者需要を注視、新しい高齢者向け賃貸市場の形成
「生きる場所」としての住宅の重み、大きな役割を果たす賃貸住宅
従来の客層、賃貸ビジネスのスタイルとは違う高齢者向け賃貸市場
賃貸経営も日本の社会が直面する大きな問題点もキーワードは、「高齢社会」への対応、といって間違いないかもしれません。
国土交通省が今春まとめた『高齢者等の土地・住宅資産の有効活用に関する研究』を見ていますと、いっそう強く感じます。高齢者といえば、「健康」「身寄り」や「収入」などをすぐ思いつきますが、国土交通省がまとめたレポートですから、管轄の「住居のあり方」に多くのスペースを割いて解説しています。
その中で特に目を引くのは、「生きる場所」としての住宅の重みです。子育てを終えた高齢者の「幸せな住み替え」を社会全体で円滑に推進することが大きな課題としています。そして、大きな役割を果たすのが賃貸住宅です。
このレポートには、高齢者の居住パターンのシュミレーションが掲載されていますが、こんなケースです。
今後の高齢者需要を注視
▼ 自宅を賃貸に出した上で賃貸住宅に移住する
▼ 自宅を売却した上で賃貸住宅に移住する
▼ 自宅を売却した上で、郊外の戸建てを購入し、またその後に賃貸に移住する
と見てきますと、高齢社会に対する住宅環境を整備するのに、賃貸住宅の果たす役割の大きさが分かります。
高齢者が住み替えた戸建てやファミリータイプのマンションが市場に出回ると、こうした物件を用途変更のコンバージョンをしたり、バリアフリーの工事をしたりして新たな顧客に紹介する一方、住宅を処分した高齢者に住居を提供するといった仕事が出てきます。
従来の客層、賃貸ビジネスのスタイルとは違う高齢者向け賃貸市場が形成されます。これからの高齢者需要がどのように変わっていくか判然としないところがありますが、目を離さずに注視して、取り組みたいところです。
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