待ち遠しい『春、美しい春』の到来
待ち遠しい『春、美しい春』の到来
3月も10日を過ぎ、今日は奈良・東大寺二月堂のお水取り。あと1週間もす
れば春分を迎えるというのに、毎日まるで真冬のような寒さ。今年ほど春の訪
れを待ち遠しく感じる年は、ここ数年なかったように思います。
日本は四季の変化に富み、その季節に応じた自然の営みと四季折々の多彩な
行事が各地で繰り広げられ,春には花祭りを始め豊作を願う田植え祭りや鎮花
祭などの祭事が日本各地で行われています。
最低気温が5度くらいになると草木が芽生え始め、動物は冬眠から覚めると
いわれていますが、同時に、安定していた冬型の気圧配置が不安定になるため、
天気はいつもいつもうららかな日和というわけにはいかず、結構、雨風の強い
荒天の日が多いのも早春の特色ともいえます。
暑くもなく冷えもしない、5月頃の初夏とはまた違った、快い暖かさの春の
到来を楽しみに、もう少し首をすくめて待ちましょう。
春の気分を最も表している、私の好きなイギリスの作家、トマス・ナッシュ
の『春、美しい春』の一節”春の歌”をご紹介します。
Spring,the sweet spring,is the year's pleasant king;
Then blooms each thing,then maids dance in a ring,
Cold doth not sting,the pretty birds do sing:
………
春、美しい春は、一年の楽しい王様、
すべてのものが花咲き、乙女らは輪になって踊る、
寒さが肌を刺すこともなく、愛らしい小鳥たちが歌う―
※日本語訳は「英語名句事典」(大修館書店)より。
(2001.3.13)