時代が進んで物件案内の方法が進化した分、経営もよりシビアに (2009年1月23日)
時代が進んで物件案内の方法が進化した分、経営もよりシビアに
インターネットで物件を探すのに利用する機会が多いポータルサイトは、より使いやすく、コンテンツを充実させて、さらに多機能へと進化を続け、目を見張らせるものがあります。
昨日から、不動産総合サイトの「goo住宅・不動産」が、地図で生活情報と物件が検索できるサービスを開始しました。
運営会社のNTTレゾナントが念願の「地図から検索できるサービス」をリリースしました、と感慨深げに説明する通り、便利さもここまできたかというのが実感です。
「地図から探す」で選ぶと、地図上に建物のイラストが登場して、そのイラストにマウスでカーソルを当てると、入居者募集中の物件数が表示されます。
例えばJRの「○○駅」前に建物イラストが表示されていて、そこへカーソルを持っていくと「107件」と表示され、カチッとクリックすると、107件の「物件情報」が右サイドに出てきます。
地図上からお気に入りの物件を絞り込む地図検索の方式を取り入れているポータルサイトは他にもあるのですが、このgooのサイトはシンプルで分かりやすく、使い勝手がいいと感心する次第。
ただ、このgooの「地図から探す」を見て思うことは、入居者募集中の物件の多さです。例えば東京・港区のJR「田町駅」から歩15分圏内にある募集中の物件数はおよそ2000件。
gooサイトに出稿している数が2000ほどですから、gooには出さないで他の有料のサイトに出している物件も相当あるわけですから、合計で今現在、田町駅近辺で空室となっている物件数はちょっと想像がつかない規模かも知れません。
地図上に空室数がリアルに表示されるだけに、賃貸経営者、物件オーナーには大きなプレッシャーがかかってくるのでは。
逆に部屋を探している人にとっては便利でたまらないサイトとなります。ボタン一つで航空写真に切り替わり、地図と併用すればかなり正確に物件の所在地が把握できます。さらに「物件詳細」ボタンを押せば建物外観と間取り図が表示されるのですから。
便利さもここまでいくと、物件選びには手間が省略される一方で物件間の競争激化に拍車がかかることになりかねない。現地に出向かなくてもネット上で物件が選別されてしまいます。
時代が進んで物件案内の方法が進化した分、経営もよりシビアになる、ということです。このgooの地図を念頭に、わが身の物件を顧みることが必要ではないでしょうか。
───────────────────────────────────────────────────────
(2009.1.23)