積極的な営業方策打ち出すエイブル(2009年6月12日)
積極的な営業方策打ち出すエイブル
賃貸仲介専門大手の(株)エイブル(JASDAQ上場)の動きが活発です。
企業の動向が反映される株価ですが、本日の高値が979円をつけています。年初来の安値が1月26日の565円ですから、7割以上伸びたことになります。
市場で買われている背景には、10日に、2010年3月期の配当を1株当たり前期比9円増の28円とする発表があったことが影響しているようですが、同社の最近打ち出している積極的な営業方策が高値を呼ぶ理由になっているようです。
ここ3週間ほどの間に同社が相次いで打ち出した方策を見てみますと、まず5月20日に、経営体制の強化のため、代表取締役及び役付取締役に新たに、「取締役副会長」「取締役上級顧問」「取締役顧問」「取締役上級相談役」を追加することを取締役会で決議したあと、6月1日には自己株式の市場買付け(取得株式数・4万4,700株、総額・33,648,000円)を発表しています。
そして、6月4日には取締役、執行役員、従業員を対象に、6万株を上限とするストックオプション(新株予約権)の付与を発表し、6月10日の2010年3月期28円配当予想の発表と続きます。
こうした方策を打ち出した理由として、2009年3月期決算が、前期比2.8%の減収、経常でマイナス20.6%の減益となっていることが見逃せません。とくに純利益ではマイナス約60%となっています。
中でも、全体のほぼ半分を占めるメインの仲介業が、下記の通り過去4年間で最も低くなっていることから、本格的な営業強化の必要性が求められ、今回の相次ぐ方策に表れたものと考えられます。
エイブルの定評ある部屋付け能力の強化に、期待したいものです。
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(2009.6.12)