賃貸経営、管理、土地活用、不動産投資など賃賃ビジネスに役立つ最新ニュース

賃貸住宅に一石を投じた「太陽光発電システム」 (2009年7月14日)

◆ 賃貸経営の今を読む (峰 匡太郎)

賃貸住宅に一石を投じた「太陽光発電システム」

 積水化学工業が賃貸住宅(アパート)に太陽光発電システムを標準搭載した新商品を今月27日から発売しますが、分譲、建売、注文住宅だけではなく、賃貸住宅にも太陽光発電システムがラインナップされたとして注目を集めています。

 この4月には、ミサワホームが余剰電力を売電できる太陽光発電システムを搭載した賃貸住宅を発売しました。当時、同社のエコ住宅展開を受けて、株価も上昇。

 この賃貸住宅の特徴は、『オール電化+太陽光発電システム+エコニーズ』をセットにして、商品化したことで、入居者に売電・入金のメリットを見せ、販売の促進を図っています。
  
 「オーナーにとっては入居者満足度が高まることで、安定した入居率や家賃設定が期待できます。更にオール電化や防犯アイテムを標準装備し、周辺物件との差別化を図る」のが、同社の狙い。

 積水化学工業はこれに続くものです。「賃貸住宅の入居者に活用する」「共用部分の電力として活用する」「同一敷地内にあるオーナー宅で活用する」ことが可能。

 賃貸住宅は、賃料収入をベースに収支が組み立てられて建設される規模、仕様内容が決まるため、どうしても利回りが最優先されます。

 環境に配慮したエコ対応を全面に打ち出しても、投資額に見合ったメリットを求めるオーナーの意識は、一般住宅のユーザーより強いものがあります。

 「周辺地域の賃料相場に見合った家賃」×「想定入居率」-「ローン返済額+諸経費」=実質収入の経営方式から、メリットを生まない、メリット部分が明確に見えない投資は極力避ける、というのが賃貸オーナーの心理にあります。

 こうした傾向とは別に、住宅メーカーが、時代のニーズが求める「エコ」対策に果敢に取り組み、環境配慮型の商品を相次いで開発、商品化することから、賃貸業界における「エコ」指向に変化の兆しが見えています。

 環境に配慮したエコ賃貸住宅だから家賃が他より10%高くなりますが、いかがでしょうか!とセールスしても、入居者はピンとこないかもしれません。

 しかし、この発電システムが組み込まれた賃貸住宅なら家賃が少々高くなるが、月々の電気代がおよそこれぐらい低く抑えられます、そのプラス・マイナスはこれほどです、と説明すれば、入居者へのアピールは強くなるはず。

 ・エコ対応の賃貸住宅に住む、時代に一歩先んじた感性
 ・しかも毎月の光熱費が減少する
 となれば、物件の付加価値が増すことは十分考えられます。

 積水化学工業の大容量太陽光発電システム搭載の新商品は利回り最優先、必要最小限の投資で済まそうとしていた賃貸住宅のあり方に一石を投じたようです。

───────────────────────────────────────────────────────
(2009.7.14)

画像の説明

>> ◆ コラム「賃貸経営の今を読む」の2009年・バックナンバー目次ページに戻る

powered by HAIK 7.2.5
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional