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賃貸住宅新築落ち込みの背景にあるもの(2009年9月11日)

◆ 賃貸ビジネスを考える

賃貸住宅新築落ち込みの背景にあるもの

 賃貸住宅の新設がず~っとスローペースになっています。

 直近のデータで、今年の1~7月の合計が18.9万戸。昨年比でおおかた3割のダウン。8ヵ月続けて前年比で減少しています。この4月から7月まで4ヵ月の前年比の減少率は35.4%ですから、かなりの落ち込みです。

 このような落ち込みは、賃貸住宅の新築が市場に出回る数が減少するという現象を引き起こします。業界全体から見れば供給が細る分、施工~流通に及ぶマーケットがしぼむことになり、建設会社から仲介不動産会社まで関連する各企業の業績悪化につながることになります。

 新築が出てこない分、部屋付けがやや有利な状況

 こうした新設の落ち込みの背景にあるのは、やはり空き家の存在。昨年10月1日現在における賃貸住宅の数が2,183.1万戸、そのうち409.3万戸が空き家となっています。

 率にして18.7%ですから、単純計算で100戸のうち、おおかた19戸に入居者がいないことになります。賃貸住宅は昨年10月から遡る5年間に99万戸増加したのですが、空き家も41.8万戸増えています。

 前年比30%を超える新築の落ち込みは、例えば街を車で走っていても明らかに少なくなっているのが分かるくらい広がっています。

 以前(つい半年ほど前)はこんなところにもアパートが建っている…、この立地なら賃貸経営に有利では…、と思う物件が相次いで登場したものでした。

 新築が地域に出てこない分、皮肉なことに大家さんにとって部屋付けがやや有利な状況となっている、と言えないこともないのですが、前述した通り19%に近い空き家の圧迫感は相当です。
 
 年間を通していかに高入居率をキープするか、今日の賃貸経営者、大家さんの大きな課題となっています。

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(2009.9.11)

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