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賃貸住宅新規着工減の背景 (2009年4月3日)

◆ 賃貸ビジネスを考える

賃貸住宅新規着工減の背景

この2月の実績は2万3652戸と前年比の大方3割減で、これは昨年6月の約半分程度。賃貸住宅の新設着工は、昨年12月から落ち込み始め、3ヵ月連続して前年比を下回っています。

その要因として、「貸家の低迷は、景気悪化に伴う着工主の資金調達難などが原因と考えられる」(第一生命経済研究所・ ≪定例経済指標レポート≫「住宅着工戸数」)が第一に挙げられ、施主つまり賃貸経営者も賃貸マーケットの様子(空室発生)から、着工を見合わせていることが察せられます。

新規着工が少なくなると、新築物件の供給が細り、入居者ニーズに十分応えられずに、マーケットの勢いがなくなるという影響が出ますが、大家さんとしては当面のライバルの出現が抑えられるといったメリットがあります。

住宅着工数の落ち込みは賃貸住宅だけでなく、持ち家、分譲にも現れていて、持ち家、分譲では「雇用環境の悪化を背景とした将来不安から、消費者の住宅取得意欲が大きく低下していると考えられる」(同)と分析されています。

その分、賃貸需要の膨らみが賃貸経営者には“朗報”のように聞こえるのですが、消費者(入居者)全体の購買(転宅)意欲が萎縮しているため、持ち家、分譲需要の大幅減少が賃貸需要のプラスに即働くとは単純に言えないようです。

ただ、「長期的な変動要因から見れば、依然として世帯数の増加や建替えによる潜在的な需要がある」(同・ ≪第一生命経済研レポート≫2009年4月号)という通り、潜在的需要は見込まれると分析しているのですから、金利が低く、賃貸経営に意欲的な土地所有者が少なくないので、今の経済環境が落ち着けば再び着工増加の方向に歩むと予測されています。

今はちょうど、賃貸需給バランスの変わり目の時ではないでしょうか。

いずれにしろ入居者ニーズに応えられる物件のみが生き残ることができる、厳しい競争時代に突入する前触れを思わせます。

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(2009.4.3)

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