高水準続くマンション・アパート(一棟)の不動産価格指数
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高水準続くマンション・アパート(一棟)の不動産価格指数
過去12年で最高水準を見せる 地方圏の上昇が目立つ
賃貸住宅の新設が増加する一方、市中のマンション・アパートの売買価格が上昇傾向にあります。資材価格の高騰を受けて賃貸住宅の新設を見合わせ、既存の物件を買い求めるケースが増えたことが全体の需要を押し上げているようです。
市中の不動産市場価格の動向を知るのに役立つ、国土交通省が公表する不動産価格指数(商業用不動産)の2022年第2四半期分の全国の「マンション・アパート(一棟)」を見ると、前期比2.8%増の155.7と、最高水準を見せています。
これは2010年の平均を100として計算したもので、2010年以降、ここ12年間にマンション・アパート一棟の価格指数が、55.7%増になったことを示しています。およそ12年でマンション・アパートの資産価値が6割近く増したといえます。
地域別に見ると、3大都市圏が前期比2.6%増の152.8で、3大都市圏以外の地域が同2.0%増の162.6、南関東圏が同3.4%増の150.2と、地方圏の上昇が特筆されます。
今年もマンション・アパートの投資用市場から目が離せません
事実、地方圏ではここ3年ほどの間は20ポイント以上の伸びを見せ、とくに昨年初めから10ポイントを超える伸びとなっています。
この不動産価格指数は、同省がIMF等による国際指針に基づき、不動産市場価格の動向を表すものとして、全国・地域別、住宅・商業用別の市場分析を通じ、投資環境の整備などが進むことを目的として作成されているものです。
資材価格の高騰に伴う建設コストの増加から、賃貸住宅新設の投資を見極めようとする動きが見られるだけに、今後も市中で取引されるマンション・アパート価格の上昇基調は続く見込みです。
また、投資用マンション市場でも供給数、価格面において増加傾向が続き、収益物件においても活発な取引が見られます。今年もマンション・アパートの投資用市場から目が離せないようです。