2014年の賃貸市場を展望]景気回復と成長をバネに堅調な動きを予測
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[2014年の賃貸市場を展望]景気回復と成長をバネに堅調な動きを予測
市況軟調の下、読めない消費税増税や新築増加の影響
1月も下旬を迎えましたが、2014年の賃貸市場を展望してみたいと思います。
賃貸経営は景気の動きに大きく影響されない特徴を持ちますが、それでも景気がよいに越したことはありません。お金の回りがよくなって、汲々とした入居時の交渉事が少しでも改善すれば、経営の安定に役立つと期待されます。
一般の景気については、内閣府が昨年12月に発表している2013年10月の景気動向指数の通り、景気の現状を示す指数が2ヵ月連続で上昇、景気は改善を示し、先行きについても回復基調が続くとしています。今年に入って、1月の月例経済報告では、景気の基調判断を2013年9月以来4ヵ月ぶりに上方修正し、「緩やかに回復している」としました。
また、帝国データバンク(TDB)の全国1万493社が回答した「2014年の景気見通しに対する企業の意識年調査」結果でも、2014年の景気は回復見込みが前年の2.6倍に急増するとしています。
TDBの2013年12月の景気動向指数は、前月比1.2ポイント増の49.5となり、6ヵ月連続で改善、前月に続き過去最高を更新。アベノミクス効果は地方圏の実態経済に着実に広がりをみせており、国内景気は全面的上昇の勢いを増している、としています。
こうした経済状況を背景に賃貸市場を見ると、景気回復と成長をバネに堅調な動きを見せるのではないでしょうか。
日本賃貸住宅管理協会が年2回実施している賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』の最新版(2013年上期)を見ても、市場の傾向は「来客数」「成約賃料」について、大きな変化は見られないとする一方、賃貸の「成約件数」が増加傾向を示しつつあります。
また、不動産流通機構の東日本レインズでも賃貸住宅の昨年12月の実績が、成約件数、検索件数、総アクセス数が前年同月比で大きな伸びを見せています。
定着する入居時の「条件交渉」
このほか、公表されている不動産ポータルサイトの賃貸市場の契約動向を見ても、契約数がとくに前年同月比で伸びているのが注目されるところです。
ただ、上向きつつある市場の動きに対して成約賃料の上昇に結びついていないのが残念なところで、前述の『日管協短観』でも「入居条件」でフリーレント、礼金なし、敷金(保証金)なし物件など、入居時の一時金が少ない物件が増加の割合が高い、としています。さらに、入居時の条件交渉として、賃料、礼金・敷金等初期費用の交渉が多く、条件交渉が“当然”のような気風にさえなりつつあります。
このように景気の回復は一段と弾みをつけようとしているのですが、賃貸市場についてみれば、市況の軟調に大きな変化は見られないことや、あと消費税増税や新築増加などがどのような影響を及ぼすか読めない部分があります。
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