2018年推計「日本の世帯数の将来推計(全国推計)
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2018年推計「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」
5419万世帯をピークに、257万世帯減少を推計
賃貸住宅の需要と密接な関係にある「世帯数」の将来を予測する2018(平成30)年推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」が、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所から公表されました。将来の賃貸市場を占うものだけに注目されます。
この推計は5年ごとに実施されており、今回は2015年の国勢調査を基に、2015~40年の25年間の将来の世帯数を推計しています。
まず人口についてですが、日本の総人口は今後長期にわたって減少が続き、一般世帯人員は2015年の1億2,430万人から毎年減少し、25年先の2040年は1億570万人と、2015年に比べ1,860万人少ないと推計しています。
住宅ニーズに直結する、気になる世帯総数の動きは、2015年の5,333万世帯から2023年まで増加を続け、5,419万世帯でピークを迎え、その後は減少に転じ、2040年の一般世帯総数は5,076万世帯まで減る、としています。
つまり、後5年で86万世帯増えた後、それを頂点に、22年先には2015年に比べ、257万世帯少なくなるというもので、劇的な変化を予測しています。
住宅市場のニーズを支える分母数が5%強減少するということです。ただ、あくまでも全国推計の統計ですから、地域レベルの賃貸市場とは同一に見られません。
人口減少局面に入っても世帯数が増加を続けることは、世帯規模の縮小が続くことを指し、一般世帯の平均世帯人員は、2015年の2.33人から2040年の2.08人まで減少を続けます。ただし、変化の速度は次第に緩やかになると見込まれています。
また、2015~40年の間に「単独」世帯は34.5%から39.3%、「夫婦のみ」は20.2%から21.1%、「ひとり親と子」は8.9%から9.7%と割合が上昇。一方で、かつて40%以上を占めた「夫婦と子」は26.9%から23.3%に、「その他」は9.5%から6.6%と低下します。
影響は少なくないので
今から20余年先に備える
家族累計型が変化し始めるのですから、住宅の間取りにも変化が及んでいくはずです。わが国の人口が減少する中、世帯数は1985年以降一貫して伸びてきました。
増大する世帯の住宅需要を吸収してきたのが主に賃貸住宅です。また、人口が減少する中、世帯数の伸びが賃貸経営を底支えてきたともいえます。それが、257万世帯減少するとなると、やはり影響は少なくないといえそうです。
22年ほど先の予測だけに、若干の差異が生じても、大きなうねりとして世帯数の減少にいよいよ直面せざるを得ないということになります。人口の減少より、世帯数の減少傾向が市場の縮小に影響を投げかけることから、これからの賃貸経営には管理が一層重要性を増してきます。