95%の自治体で人口が減少するという現実 (2009年4月10日)
95%の自治体で人口が減少するという現実
4月も10日、好天に恵まれて各地の桜も満開から散り始めています。ほぼ“賃貸春の商戦”も峠を越したようですが、まだこれから5月に続く連休まで引っ越しは多く、気を抜かないで入居者募集の追い込みに励んでください。
話が一転して、わが国の人口減少、少子化が既定のこととして進行し、少子化、そして高齢者対策が社会の各分野で大きな課題となっています。こんな折、賃貸経営者にややショッキングなデータが公表されました。
3月27日に、厚労省の国立社会保障・人口問題研究所から「日本の市区町村別将来推計人口」が公表。推計の対象となった自治体は、2008年12月1日現在の市区町村、1805自治体。
これは2005年までの実績値をもとにして、2005年から2035(平成47)年までの30年間、5年ごとの人口予測(推計)がまとめられているもの。
このデータの特徴は「首都圏」とか「都道府県」といった大きな地域のくくりではなく、わが町「市区町村」単位の「年齢別」の人口推移をまとめていること。
例えば、大阪府堺市の2010年の生産年齢(15~64歳)人口、51万7861人の2035年の人口推計は、38万9826人で、2005年を100とした場合、2035年は70となる、と言う風に、詳細に表示されています。
人口が総てのところで減少するのではなく、横ばい気味、あるいは増加するところもあるのですが、2030年から2035年にかけては95%以上の自治体で人口が減少すると推計。また、2035年には2005年に比べて生産年齢人口が4割以上減少する自治体は4割を超える、と推計されています。
これが全国1805市区町村別に推計されているのですから、所在地に物件を所有されている大家さんは、人口の動向に否応なく向かわざるを得ないことになります。一般的に、人口が減少するとマーケット規模が縮小して、さらに競争が厳しくなるのです。
「推計」で、おおよそな数値ともいえますが、国の機関が国勢調査や人口動態率、移動率などをもとに公表したデータですから、この現実を直視した賃貸経営の舵取りが必要になってくるようです。
今後、人口減少に対して世帯数は逆に伸び、なだらかな横ばい基調が続くのです、人口は長期の減少過程に入るのは致し方ないようです。
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(2009.4.10)