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CHINTAIとエイブルの「経営統合」について (2010年4月16日)

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◆ 賃貸ビジネスを考える


CHINTAIとエイブルの「経営統合」について

CHINTAI・エイブルの一体化戦略は、業界に一石を投じる!

今週初め、(株)CHINTAI(ヘラクレス上場)と(株)エイブル(ジャスダック上場)2社の共同持ち株会社設立の発表が行われ、ここ1週間、両社の「経営統合」に関する情報が飛び交いました。

そこで、賃貸業界大手2社の経営統合の持つ意味と業界に与える影響等について考えてみます。

両社は株式上場している別法人格ですが、資本構成を見れば創業者親族による経営実態は一目瞭然。業界では兄弟会社としてよく知られ、業務の連携、人的交流も積極的で、第一、CHINTAIの売上げの大半はエイブルに頼っています。

その両社が事業規模の拡大を追求、営業基盤を固めていく過程で、利害関係の調整が課題として浮上。利害調整を図るためには、別々の企業活動を展開するのではなく、経営方針を一本化した方が、はるかに効率的であることから、今回一気に共同持ち株会社の設立にまで進んだと見られます。

とくにこれからの賃貸事業の核となり、賃貸情報の発信、仲介ビジネスの心臓部ともいえるサーバーシステムにかかる経費の負担は、業績が一進一退する時だけに重くのしかかっています。

物件の反響を集め、集客の媒体ツールとしてインターネットの比重は年々高まる一方にあるのですが、同時に、ポータルサイト間の競争は激烈。使い勝手がよく豊富な物件情報があってこそ、利用頻度が高まるポータルサイトの維持には運営各社、大変な経費を投じています。

CHINTAIとエイブルのポータルサイトは業界でもいち早くシステムを構築したことや当初、エイブルの専任・専属の物件中心に構成されたこともあって、信頼性が高い。両社のポータルサイトのメンテナンスをしているのがCHINTAIの連結子会社であることなどから、システムの将来を見据えると共同持ち株会社化するメリットは十分にあると見られる。

同業者から見れば強力なライバル会社の出現!

共同の持ち株会社を設立したメリットは、

1.経営意識の一本化
2.風通しがよくなって業務推進がスピードアップ
3.経営資源の有効活用と最適配分の実行
4.ブランドイメージの向上
5.新会社設立、上場による資金の入手

などが考えられます。

事実、経営陣はこうした効果を見込んで共同持ち株会社の設立に踏み切ったものです。

業界にいち早く賃貸仲介ビジネスの成功事例を築き、時間をかけてPRを展開、独自のブランド力を高め、そして他の業態においても例があまり見られない規模の直営店網を誇る両社が一体化する戦略は、確実に業界に一石を投じることになるはずです。

一転して、大家さんと業界の立場で見てみます。

CHINTAIとエイブルはそのまま残るのですから、表立っては大きく変わらないと思います。新会社がパワーアップして、いい方向に進めば、契約スピードは高まるかもしれません。

同業者から見れば強力なライバル会社が出現して、顧客がさらわれるといった不安感があるのではないでしょうか。

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(2010.4.16)


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