谷崎 憲一氏インタビュー(2)
特別インタビュー
株式会社パワーコンサルティングネットワークス 代表取締役
社団法人 東京共同住宅協会 会長
NPO法人 賃貸経営110番 顧問
谷崎 憲一氏
自宅から遠い物件には手を出さないこと。
表面利回りには惑わされないこと。
いくつもの物件を見て、目を鍛えること。
日々の努力の積み重ねが物件の価値を保つ
── 収益不動産投資を含め、これから賃貸経営を始めようとしているサラリーマン大家さんに対して、「これは気をつけなければ」というポイントを教えてください。
谷崎 ポイントを挙げてみます。
第1に、自宅から遠い物件には手を出さないこと。
第2に、表面利回りには惑わされないこと。
第3に、今日の賃貸市場はかつてなくシビアで、「借り手市場」が定着して、経営も高度な判断が求められています。例えば、東京は空室率13%以上という事実をよく認識しておくことです。
第4は、いくつもの物件を見て、目を鍛えること。それから購入なり、投資を決める。
高利回りの物件は、大規模修繕が必要だったり、立地が悪かったり、それなりの理由があるはず。その辺を見極めることです。
このようなポイントを時間をかけて、納得するまでチェックすることです。
── 入居条件で礼金、敷き引き、更新料等において、消費者(入居者)有利の傾向がますます強まっています。こうした賃貸市場の流れについてどのように思われますか。
谷崎 世の中では、不本意ですが、大家さんは資産家=強者だというイメージがやたら持たれています。
ですから入居者(持たざるもの=弱者)を保護しなければいけない、大家さん(持てるもの=強者)が不利になるのは構わない、といったムードがあるのですね。
こうした弱者、強者のイメージが一人歩きすることで、実態とかけ離れた入居者擁護論が定着する。非常に残念なことで、憂慮すべき状態だと思います。
本当の弱者は、今の時代は大家さんだと思います。
(2010年6月6日)
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