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「家賃」の傾向に見る最新賃貸市場の動向

横バイ・弱含みの中、物件特性を反映した二極性の強い賃料相場

 全国的に「変化なし」と「減少」が約半々の割合(『日管協短観』)

 ところで、市場の家賃の傾向を知るデータの一つとして、国土交通省が毎月公表している賃貸マンション賃料指数があります。2005年の1月を100として、2013年の4月は首都圏で106.0、東京都区部が103.4。タイプ別では首都圏の1R(25平方メートル)が101.7、DKタイプが106.1、ファミリー(80平方メートル)が102.7となっています。

 東京以外では、近畿圏の1Rタイプが108.9、DKタイプが115.5、FAタイプが117.3と、やや高くなっています。国交省が発表していますが、元データは(株)リクルート住まいのカンパニーの「住宅指数」を使っていますので、市場の取引きの実態を反映しています。

 一方、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が年2回実施している、賃貸住宅の景況感を調査、分析する賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』の2012年度下期(2012年10月~2013年3月)版では、「成約賃料」について、全国的に「変化なし」と「減少」が約半々の割合となっています。ただ首都圏では「減少」が多く、関西圏は「変化なし」と回答する割合が高くなっています。

 代表的な二つのデータは、総体的なマクロの傾向を示しています。現在の賃貸市況は、横バイ・弱含みの中、物件特性を反映した二極性の強い賃料相場となっているようです。 
 これ以外にも総務省の調査を見ますと、公営、公団、民営賃貸住宅を含めた借家の家賃は、1983年と2003年を比べると、ちょうど20年で倍ほどになっています。

 こうして見ますと、賃貸マンション市場動向は、8年前とほとんど変わっていません。デフレの真っ只中で、8年間横バイであったのをよしとするか否か、意見の分かれるところですが、統計上は大きく値崩れしていないのが分かります。

 時代とともに少しずつ変化する「家賃」傾向

 ただ、仲介現場の不動産会社では、8年前と比べて横バイ、微増とか、20年で倍増とかは市場の実態に見合っていないと指摘します。逆に物件余りからここ数年、下落傾向を辿っていると捉えています。

 以上のように見てきますと、時代とともに家賃の実体も少しずつ変化していますが、周辺には必ず競合する物件がありますから、物件に入居者を引きつける特色や最新の設備が備わって、その上で適正な家賃であることが賃貸経営を安定させるポイントとなっています。

 近年、物件の充足感から借り手有利な賃貸市場を反映して、賃料弱含みとなっていますが、家賃の性格から、弱含みといわれても好・不況で乱高下しない安定感が「家賃年金」といわれる理由といえます。国民生活の衣食住の基本である住居費・家賃が景気に左右されて大きく変動するようなことが起きますと、社会不安を引き起こしかねません。

 このように家賃を考えますと、金額を下げることなく、物件に多様な魅力を備えたプラスアルファのサービスが重要であることに気づかされます。

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