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自殺による「心理的瑕疵(かし)物件」発生に備える

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自殺による「心理的瑕疵物件」発生に備える


不慮の事件後は、家賃を安くしたり、何年も空室にする必要が

 自殺があった賃貸住宅は、「心理的瑕疵(かし)物件」と呼ばれ、「事故物件」として家賃が安くなってしまうのはもとより、空室状態が続くリスクを抱えることになります。では不慮の事件にどのような対策をとればいいのでしょうか。

 また一方で、賃貸住宅で起きた自殺について、賃貸経営者が泣き寝入りするわけにもいかないと、損害賠償を求める訴訟に踏み切るケースが増えてきました。

 警察庁のまとめによりますと、2010年中の自殺者の総数は3万1,690人で、10年以上3万人を超す高止まり状態。東京、千葉、埼玉、神奈川の首都圏では、合計7,976人を数えます。

 賃貸経営に災いはついて回る、と織り込む心づもりも必要

 仮に、自殺あるいは殺人事件が賃貸住宅で起きると賃貸経営に対するダメージは重く、人の噂も七十五日で世間の記憶は薄れていくでしょうが、入居者の退去が出て、空室が広がり、その上で「管理不能」にでもなれば取り返しがつきません。

 第一、入居者と賃貸借契約時に、重要事項説明を行う際、全く触れない訳にはいきません。重要な事実の「告知義務」があります。

 裁判で「2年間経過すれば、自殺があったことを告げずに賃貸できる」という判例はありますが、事の性格上、それでは2年以内なら告知が必要で、2年過ぎると告知の必要がない、と明確に断言もできないようです。一方、5~6年を経て、入居者が数回入れ替わり、記憶が薄れれば、あえて説明は必要ないといった見方も成り立ちます。

 賃貸住宅は人が生活する場ですから、病死、衰弱死はもとより、夜逃げ、薬物中毒、自殺、刃傷沙汰、事故死といった不慮の災いは常について回るので、賃貸経営に際し、そうしたことも織り込み済みといった心づもりは必要と思います。

 ただ、自殺者が出た部屋でも長年にわたって入居している例はたくさんあります。大きな声で言うまでもなく、10年、20年と年月を経て、自然に落ち着いてくるのです。ガス中毒で死亡者が出て半年ほど空いていたが、その後は何もなかったように、入居が続くというケースも少なくありません。

 賃貸物件の部屋で人が死んだ場合、その対応策としてとられている事例を少し紹介しますと、事前に事のいきさつを説明して家賃を安くする、あえて何年も空室にしておく、「重説」でとくに何も説明しない、部屋を原形をとどめないほど大規模リフォームする、全面的に建て替えるなどが見られます。

 日頃から注意して、アンテナを張る

 また、相次ぐ自殺や孤独死、殺人事件の発生、損害賠償の裁判を反映して、賃貸住宅入居者の自殺、犯罪死、孤独死等により家主が被る家賃収入減少の損害を補償する保険も最近になって出てきました。

 いずれにしろ長い人生の営みから起きる自殺や突発の事故、事件に、特段前もって予防線を張ることもできないのですが、対策としては、日頃から注意して見ておく、アンテナを張っておくということではないでしょうか。

 入居時に連帯保証人をできたら2名用意してもらうとか、契約更新時に経済的な面ばかりでなく、普段の素行面をチックすることも必要かもしれません。

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