浦田代表理事・インタビュー2
特別インタビュー
一般財団法人日本不動産コミュニティー
代表理事
浦田 健氏
学んだことがそのまま実務に生かせる
そして、仲間をつくり、報酬が得られる仕組み
── そうしますと、コミュニティーが実施しておられます「大家検定」を大家さんが習得するメリットはなんでしょうか。
浦田 いくつかありますが、第一は学んだことがそのまま実務に生かせることです。空室対策、部屋付けをどのようにして業者に依頼すればいいのか、管理についてなど、とにかく内容が賃貸経営に直結しているだけにストレートに役立つはずです。とくに、2代目のオーナーさんには貴重な内容だと思います。
株を買う前に、株について学んでおくといい結果に結びつくのと同じで、物件を買った後の“出口戦略”とか、税制、相続の基本について学んでおくと経営に役立つことは間違いありません。
このように一番のメリットは、ご自身の事業に生かせることです。一般の研修会では、こういうことが起こりますといった事象を解説していますが、では具体的にどうすればいいかといった対策はなかなか触れられません。
また、当コミュニティは講座が終わった後も3ヵ月に一度、地域にある勉強会にアクセスして、スキルの高い大家さんと同じ価値観を持って情報を交換することもできます。さらにその上の上級プログラムでは、不動産のコンサルタント能力の実務を学ぶことができます。
そして、自分のために学んだ後、こうした知識を求める人に講義をする立場となって、自分の授業、講習会を持つことができるのです。ご自分がやってきたことをアメーバー的に広めることで、仲間をつくり、報酬が得られる仕組みとなっています。
講義のもよう
空室対策は、空室対策の基本を学ばないといけない
今年やったことは来年通用しないことを前提に対策を
── 話は変わりますが、人口減少に加えて物件飽和の時代、空室対策に多くの大家さんが苦慮しています。秘策があれば教えてください。
浦田 まず空室対策には、空室対策の基本を学ばないといけないと思います。とにかく皆がやっているレベルに引き上げないと。
どういうことかといえば、きれいに掃除するとか、そうした基本の上にダブルキーやインターネット回線などの、その年のトレンドに対応します。ところが今年のトレンドは来年はもう通用しなくなります。入居者の好み、要求が変化して上がっていく。毎年トレンドが違うのですから、そこを考えて対応しないと入居者には選ばれないということです。今年やったことは来年通用しないことを前提に対策を考えないと、満室維持はできないと思います。
例えば、今まで日本人しか受け入れなかったけれど外国人の受け入れにチャレンジするとか、とにかくあらゆることをやっていかなければ。今はそんな時代です。
民間の賃貸住宅のおよそ25%が空室なんです。75%が埋まっていれば普通なんですね。それを90%、95%に引き上げようとすれば、人のやっていないことをやるしかないのです。それを考え続けられる人が75%の稼働率で運用できるのです。
皆さん悩んでいます。だから自分の世界だけで考えるのではなく、日々対策を考えているオーナーさんの集まりにアクセスして、ともにディスカッションしたり、情報を交換することが大事なんです。
これをやればいいというものがないのですから、稼働率を上げるのは相当難しいと思います。
例えば、家賃でもポジティブに考えて、金額を下げて競争力を高めるのもいいのではないか。現在のローンの比率にもよるでしょうが、仮に借り入れがないとすれば家賃を半分にする選択肢もあるはずです。
オーナーさんに対するアドバイスとして、やはり冒頭でお話しした賃貸経営の基礎をしっかり学んで、時代を先取りする同じ価値観を持った人にアクセスするのが一番速く、確実なのではないでしょうか。
多彩多様なアイデアを持った人達とコンタクトをとることで、新たな広がりも見つかります。自分一人で考えていくのは辛いものがあります。