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ある大家さんの悩み

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大家さん奮闘記

ある大家さんの悩み

建て替えるべきか、やめるべきか、どの時期がいいのか

 所有する物件(賃貸住宅)が古くなり、空室が目立ち、建て替えるべきか否かに随分悩んでいる大家さんと話をしました。

 その物件は、私鉄駅徒歩7分の木造2階建てアパート・2DKの間取り、10戸。トイレ、風呂付き、駐車場なし。昭和42年の完成ですから、築40年ほどです。

 木造の2階建てで築40年と聞けば相当古いイメージが湧くのですが、実際に見ればとにかく補修、掃除が行き届いていることもあって、それほど傷んだ印象ではありません。

本誌 やっぱり空室ですか。

── ここ2~3年、常に半分は空いていますね。自宅が近くですからこまめに通って清掃には気を遣っているのですが、室内なんか壁はどうしても年代を感じますね。

本誌 家賃なんかを下げてもダメなんですか?

── ちょっとやってみたんですが、反響は鈍いどころか全然なんですよ。

本誌 またここら辺り、新築のハイツ系が多いですね。

── D社、T社、L社が特に目に付きますが、やはり営業に力を入れているところが増えているみたいですね。

 完成したのを見せてもらいますが、正直これは負けたという感じ。今のはアパートといってもよくできている。台所とか水回りが今風で洒落ていますね。夫婦もしくは子供1人ぐらいなら4~5年か、7~8年あたり住むのには十分ですね。

 やはり入居者があのアパートを見て、うちのアパートと比べると、家賃1万5,000円程度の差でしたら、あの新築を選びますね。

本誌 それで何を悩んでいるんですか?資金面ですか?

── 資金的には大丈夫で、いつでもOKなんですよ。そもそもうちは亡くなった親父を入れて家族6人があのアパートで食べさせてもらったので、私自身これからも賃貸を続けてやりたいんです。経営の要領も分かっていますし。

 ただ一番の不安は入居者です。今建っている物件を見ていても完成して2~3ヵ月で半分は埋まりますが、1年経っても2~3戸は空いています。

 16~20戸程度で2割ほどが1年経っても埋まらない。借り入れが多いとしんどいでしょう。この現実が今の賃貸経営の一番の難しさみたいですね。

 ここら辺りがスッキリ見通しが立たないので建て替えるべきか、やめるべきか、どの時期がいいのか踏ん切りがつかなくて悩んでいる次第です。

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