つづく 「建築の目安」と「利回り」
「土地活用」と賃貸経営
「建築の目安」と「利回り」
しっかりした資金計画、返済計画を組み立ててから着手
所有地にどの程度の規模の建物が建つのかという目安について説明します。
賃貸住宅は、多くの人が暮らす共同住宅ですから、様々な法律によって規制されています。基本的には一般住宅と同様に都市計画法、建築基準法に準じます。
まず、道路に接していない土地には建物は建てられませんが、原則として4m幅の道路に接していればいいのです。もし4m未満でしたら、道路の中心線から2m後退します。次に、建物の高さですが、第1種・第2種低層住居専用地域では10m、もしくは12mまでの高さに規制されています。
実際に建物を建てるに当たり、ポイントとなるのが「建ぺい率」と「容積率」。建ぺい率とは、土地の広さに対して建てられる建物の面積の割合で、容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ面積の割合を指します。
例えば、建ぺい率40%・容積率80%の地域で、敷地面積が660m2(約200坪)の場合、建築面積が264m2(約80坪)、延べ床面積が528m2(約160坪)で、2階建てとした場合、1フロア当たりおよそ264m2(約80坪)の賃貸住宅が建てられるという計算になります。
また、地域によって建ぺい率、容積率ともに幅がある上、防火地域では耐火構造の建築物にする必要も出てきます。
利回り算出法は粗い計算ですが、更地を保有しているとして、ここに賃貸住宅を建設した場合の利回りは、「年間の賃料収入÷マンション建設費×100」で計算されます。
仮に、1住戸40m2を12戸建設すると、建築面積が480m2で、建築費が1m2単価15万円とすれば、総工費は7,200万円となります。1戸当たりの家賃が6万5,000円として、12戸で月78万円、年間の家賃収入は936万円。この936万円を7,200万円で割って100をかけると年間の利回りが13%となります。
この計算は、諸経費や税金(不動産収得税等)のほか、収入面で敷金・保証金や礼金、共益費を加えずに計算した 粗い「利回り」で、入居率も100%としています。実際には廊下や共用スペース、駐車場といった建設費が加算されます。
極端な例ですが、およそ45~50m2あれば1Kの部屋2戸のアパート経営が可能となり、これに外階段、外廊下を取れば、2階建てが建てられるわけです。投資効率や実用化を考えればこの例では無理があるものの、最小、この程度の土地があればアパート、マンション経営ができるという目安になります。
なお賃貸経営を始めますと、建物の維持費や保険代、管理費等の出費も考慮しなければいけないのですが、一方で節税効果が期待できますので、しっかりした資金計画、返済計画を組み立ててから土地活用に着手することが必要になります。
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