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「入居者ニーズ」はこうして 賢く取り入れる

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「入居者ニーズ」はこうして 賢く取り入れる

ワンポイントの個性、特徴を明確に

 賃貸経営において、入居者のニーズを見間違えると経営が揺れ動いてしまうと、よく指摘されます。予算も限られた中、最新の入居者ニーズにどう対応すればよいのか、ましてや物件が古くなっていれば手を打つのにも限界があります。

 賃貸住宅に対する入居者の要望は年々高くなっています。モノの豊富な時代、持ち家で育った団塊世代ジュニアがいざ独立して求める住居は、住環境や設備に高いレベルを要求しています。

 一般的に、賃貸住宅を探す際に重視するのは、立地や家賃が上位を占めるとはいえ、間取り・広さ、設備関連に最新のニーズが求められます。そのために入居者の数々の要望を満たすことが、賃貸経営安定のキーワードとなっています。まして、時代は一生賃貸派といわれる層が増え、外観、間取り、付帯設備等に対して、要望は並みの分譲クラスと変わらないとさえいわれます。

 ですから、賃貸経営に際してのポイントは、平たく言って、入居者に気に入ってもらえるアパート・マンションを建てて、最善の管理も含めたサービスで応えることだと思います。

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 ではどんな仕様の建物を建てれば気に入ってもらえるのか。まさか予算をふんだんに使い、贅を尽くした住居を建てるわけにはいかないので、効率よくピンポイントに的を絞っていかなければなりません。

 不動産賃貸ポータルサイトや各種団体などが行う「住まいを探す上で重視する点は?」といった調査結果が参考になります。こうした調査では、「賃料」がやはりトップで、次いで「間取り・広さ」「日当たり・通風」「交通の利便性」が続き、最近では「セキュリティ」が多く挙げられています。

 また、入居に際し重視した「設備」関連では、「独立したバス・トイレ」「エアコン」「フローリング」「収納スペース」「インターネット接続」などが定着しています。

 こうした最新設備は新築の場合、ほぼ備わっているのですが、築年数の経過した物件は、やはりそれなりに旧式となって人気も低くなりがちです。

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 そこで発想を少し変えて、入居者ニーズに応える賃貸住宅とは、最新の設備をフル装備した住宅だけではなく、入居者の気を引くワンポイントの特徴を持たせた“個性”を売りにすることも忘れないでほしいのです。

 個性的といっても何も特別な仕様や設計、設備だけを指すのではありません。たとえばこんなことはいかがでしょうか。

 「敷地を含め、建物全体の掃除が常に行き届いていて清潔感にあふれている」「敷地内に自動販売機が配置され、意外と重宝と喜ばれる」「防犯(設備)に特に力を入れている」「たとえわずかなスペースでも季節の草花を植える」「駐輪場、ゴミ置き場をとくにきれいにしている」…。

 入居者のニーズに応えるアパート・マンションの原点とは、結局快適な住み心地を維持し、困ったことやトラブルにもスピーディーに対応して、気持ちよく暮らせる住居であるということに尽き、そこにプラスアルファの何らかの工夫、アイデアを凝らして、生活に潤いを持たせた付加価値を高めれば、なお理想的である、と考えます。

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