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◆''「自殺」と「幽霊が出る」風評''

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賃貸経営の知識

人づてに間違って話が伝わって尾ヒレがつき大きな影響

「自殺」と「幽霊が出る」風評

多くの大家さんが突発的な事件に戦々恐々

賃貸経営で昔も今も不良入居者に悩まされるのは変わらないのですが、一番困るのが刃傷事件を起こされることで、しかも殺人事件に発展したりすると、ダメージは強烈となります。

賃貸経営は生活の場の住居を貸すビジネスですから、入居者の人生と付き合うような性格を持ちます。暮らしに浮き沈みがあったりすると、生活スペースである住居にも影響が現れるものです。

一つ間違えば夜逃げ、薬物中毒、首吊り自殺、刃傷沙汰などと関係するハメになります。こうした事件が日常的に各地で起こっているのですが、所有物件で人が殺され、殺した人間も死ぬという事件などが発生すると、最悪の結果となってしまいます。

2008年に、東京のアパートで警官が女性を射殺した後、自身も自殺した事件がありました。この物件の大家さん、「事件の影響で借り手がなくなり、取り壊しを余儀なくされた」として、東京都に約2500万円の損害賠償を求める訴訟を起こした、とWebで報道されています。

『警官の女性射殺で借り手ないアパート大家が東京都提訴』(共同通信)

4年ほど前に大規模リフォームしたそうですが、2人も不慮の死を遂げた物件はどうしても敬遠されてしまい、大家さんとしては泣き寝入りするわけにもいかないと、損害賠償に踏み切ったものです。

火事や地震の災害には保険である程度備えられるのですが、人間による突発的な事件にはなすすべもないのが現実。

中古のアパートを投資目的で購入したり、マンションを新築した多くの大家さんがこの突発的な事件の発生に戦々恐々としています。

手だてとして、入居審査を厳しくしたり、連帯保証人を複数あげてもらうという方法もありますが、あまりそんなことに力を入れていると、入居者が逆に敬遠してしまって募集などに支障が出ると元も子もありません。

月並みですが、十分に注意を払うことしかないのでしょうか。
 
根も葉もない噂「風評」のこわいところ

以前、大手仲介専門の不動産会社で入居を仲介したところ、越して間もなく、入居者がその部屋でかつて自殺者が出たことを知って、事前に何の説明もなかったし、怖くてもう住めないから不動産会社の負担で他の部屋を紹介してほしいと泣かんばかりに懇願されたそうです。

不動産会社が調べると、そこのマンションではなく、近所の全然別のマンションで何年か前にあったこが分かり、入居者に説明したところ、一応落ち着いて冷静になったのですが、一度思い込むと薄気味悪いといって結局引っ越していったということです。

世に言う風評で、何の関係もないマンションであったのに人づてに間違って話が伝わって尾ヒレがつき、自殺者の出た部屋になったものです。賃貸経営は信用と人気商売のところがあるため、根も葉もない噂のこわいところです。

賃貸物件の部屋で人が死んだケースでは、その対応に、事のいきさつを説明して家賃を安くする、何年も空室にしておく、重説で何も説明しない、原形をとどめないほどリフォームする、入居者が遠ざかったことから全面的に建て替えた、という話を聞きます。

こんな場合、大家さんの対策としては、日頃より注意して公序良俗に反する行為が目立ったら何らかの手を打つことがやはり必要だと思います。

物件は“瑕疵(かし)”となり、商品価値に著しく傷がつく

ところで、インターネットで偶然こんな記事を見つけました。

『知らずに「幽霊屋敷」を借りた男性が502万の損害賠償請求』

『賃貸借契約の際に「幽霊が出る」噂について説明がなかったと、建物の所有者などに502万円の損害賠償を求める訴えを起こした』という内容です。

賃貸経営の泣き所の一つで、部屋で自殺あるいは事件等で死者が出た場合、物件は“瑕疵(かし)”として、いわば商品価値に著しく傷がつくことになります。賃貸経営者としてはとんだ迷惑なことなんですが、ことが起こって数年は慎重な対応が望まれます。

万一、そのせいで「幽霊が出る」といった風評が立てば、入居者が去って最悪、建物を取り壊すことにもなりかねません。
 
ここでまず気をつけたいのは、入居者募集で契約に至った際、重要事項説明の時にある程度のことを話しておくことです。

裁判の判例で「2年間経過すれば、自殺があったことを告げずに賃貸」できるという見方がありますが、ことの性格上、それでは2年以内なら告知が必要で、2年過ぎると告知の必要がない、と明確に断言もできないようです。

一方、数年を経て入居者が何回か入れ替わり、記憶が薄れれば、あえて説明も必要がないといった見方も成り立ちます。

自殺、事故死等人間の死を恐怖の対象にしなくてもいいと個人的に思ったりしますが、世間一般にはそうはとってくれずにどうしても敬遠されます。

重要事項説明が十分でなかったことから、賃貸借契約の解除を要求され、引っ越し費用を請求されることも出てくるのですが、注意したいのは風評。

事実が全くないのに、入居者が引っ越してきて生活を始めたが、周辺からこういうウワサを聞かされて、いてもたってもおられずに仲介してくれた不動産会社に尋ねたところ根も葉もない話と分かったものの、その後、気になって住むことができなくなり結局引っ越していった、という話もたまに耳にします。典型的な風評被害です。

周辺でいらぬウワサが立たないように、大家さんとしても気をつけたいところですが、自殺者を出さないのと、この手のウワサにどう対応すればいいのか…といっても妙案は見つからず。頭の痛いことです。

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